小児科・内科・循環器内科
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対応している診療・疾患など
高血圧、脂質異常症、糖尿病など動脈硬化性疾患、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、不整脈、心臓弁膜症、心不全など患者様ひとりひとりに合わせて診療させていただきます。
こんな症状があれば受診
- 胸や背中が痛い、苦しい
- 歩いたときに胸が圧迫される
- 坂道や階段を昇と息が切れやすい
- 歩くと足がだるくなる、痛くなる
- 動悸がする
- 意識を失った
- 足や顔のむくみがある
- 横になると苦しくなったり咳が出る
- 以前に比べて疲れやすい
- 血圧が高い、コレステロールが高い、血糖が高い
- 健診で心電図の異常を言われた
- いびきが大きい
動脈硬化について
当院では、さまざまな心疾患や血管の病気のもととなる動脈硬化(血管の老化現象)の進行を予防することが、その後に起こりうる疾患の予防につながると考えています。 そのため動脈硬化の原因となる高脂血症や糖尿病、高血圧の治療に重点をおいております。
動脈硬化が進行するしくみ
※出典 ファイザー "生活習慣病"オンラインより
年間172万人が心血管障害を発症、117万人が脳血管障害を発症します。これらの病気は命を落とすだけでなく、心不全による息切れや脳卒中による麻痺など生活の質を落とす可能性のある非常に怖い病気です。
動脈硬化自体は全く症状なく経過しますが血管へのダメージが蓄積し、血管が狭くなったり、ゴミがたまったり(プラーク)、瘤ができたり、破裂することがあり、心筋梗塞、脳卒中を発症する原因となります。
動脈硬化というのは、簡単に表現すると血管の加齢現象です。加齢現象は個人差が非常に大きいものですが、タバコ、糖尿病、脂質異常、高血圧、肥満等により加速度的に進行することが知られています。その為、医師はこれら疾患の管理の指導を行います。
同じ年齢、同じ体型なのに血液検査では異常値がない人もいれば、糖尿病や脂質異常、高血圧がある人、心筋梗塞や脳梗塞を発症する人がいます。これは生活習慣だけでなく、内分泌疾患や遺伝的背景が原因であることが多いのです。その為、当院では、一人一人の患者様に合わせたオーダーメイドの検査、治療を行っていきます。なんで自分だけこんなにデータが悪いのか、などと思った際は気軽にご相談ください。
動脈硬化に関する検査
①脈の硬さの測定:CAVI、ABI
自覚症状がないことから「沈黙の殺人者」と呼ばれる動脈硬化ですが、簡単に発見できる方向があります。それが【CAVI:キャヴィ】です。この検査は仰向けに寝た状態で両手足に血圧計を巻き、血圧、脈波を測定し、血管の硬さを調べます。測定時間は5分程度で痛みなどはありません。検査結果は血管年齢といったわかりやすい表現でも見ることができます。
CAVIは心臓足首血管指数:cardio-ankle vascular indexの略で以前からある脈波伝播速度:PWVを改良したものです。PWVでは測定時の血圧の影響を受けますが、CAVIではより正確なデータを測定できます。
また、上下肢血圧比【ABI:エービーアイ】では、簡易的に手足の血管の狭窄、閉塞も調べることができ、動くと足が痛くなる、重くなる症状などの原因の究明にもつながります。
②プラークの評価:頚動脈エコー検査
CAVI/ABI検査で異常が認められた方には、超音波(エコー)を使い首の動脈を評価します。CAVIでは血管の硬さしか評価できません。動脈硬化で怖いことのひとつに粥状硬化とう状態があります。粥状硬化とは、血管の壁に脂肪が沈着したり、繊維性変化が生じ、その結果、血管の内側がでこぼこしたり、狭くなったりすることを指します。粥状硬化を評価する検査として有用とされているのが頸動脈エコーです。頚動脈は体表面に近いところにある太い血管のためエコーでの評価がしやすいことから、全身の動脈硬化の状態を反映する情報量の多い血管と言えます。
たとえば、高血圧の患者様では動脈硬化の評価として血管の壁の厚さ(IMT:内膜中膜厚)を調べ、脂質異常症や糖尿病の患者様では血管内のゴミの溜まり(プラーク)の評価が重要になります。
血管壁が厚くなったり、プラークが肥大化するにつれて、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まると言われています。そのため、検査をすることでそのような重大な疾患に陥るリスクを未然に防ぐことにもつながります。
検査の際には、医師と共に患者様にもリアルタイムでエコーの画面を観ていただくことで、自分の動脈硬化を視覚的に評価することができ、治療へのモチベーションにもつながります。
家族性高コレステロール血症について
当院は群馬県で初めて家族性高コレステロール血症の指定治療施設に認定されました。家族性高コレステロール血症とはどういった病気なのかご説明します。
概念、疫学
遺伝性にコレステロールが上昇する病気です。
一般的な高脂血症と違い、動脈硬化の進展速度が速く、重症例では20代、30代で心筋梗塞を発症することがあります。
遺伝子異常を片方の親から受け継いでいる場合を「ヘテロ接合体」、両方の親から受け継いでいる場合を「ホモ接合体」といいます。ヘテロ接合体の患者は200-500人に1人の頻度で認め、治療を受けている高脂血症の患者さんの8.5%を占めると報告されています。
診断
家族性高コレステロール血症(ヘテロ接合体)診断基準は、下記のうち2項目以上が当てはまると診断されます。
- LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)が未治療の時に180mg/dl以上
- 黄色腫(黄色い脂肪のおでき)、アキレス腱の肥厚がある
- 2親等以内の早発性冠動脈疾患または家族性高コレステロール血症
治療、管理
治療は基本的にはお薬の治療となります。
家族性高コレステロール血症の症例では、一般的な高脂血症よりも厳しい管理目標となり、血中LDL-コレステロールが100mg/dl以下になるようにします。薬の使用量、上限も一般的な脂質異常症とは別に設定されています。
最後に
親や兄弟ともにコレステロールが高い、狭心症や心筋梗塞の人がいる、などといったことがあれば気軽にご相談下さい。家族性高コレステロール血症は、高脂血症で薬を飲んでいるのにコレステロールの数字がなかなか良くならない方のなかに非常に多く潜んでいます。治療しているのにLDL-コレステロールが140mg/dl以上のことがあれば相談して下さい。せっかく治療するなら中途半端なことはせずにしっかり病気を予防しましょう。
希望があれば遺伝子検査、全身の動脈硬化検査、アキレス腱検査などを当院及び連携している大学病院などで行うこともできます。
不整脈について
心臓は全身に血液を送るために1日に10万回程度、規則的に動いています。不整脈というのは規則的に心臓が動かない状態の総称で、さまざまな病気に分類されます。
症状としては、脈が遅くなったり、早くなったり、バラバラになったり、脈がとんだりといったものがあり、これが発作的に出る事があります。
不整脈の中には、放っておいても良いものもありますが、息切れ、浮腫みなど心不全の原因になるもの、脳梗塞の原因になるもの、緊急性に治療しなければ命にかかわるものなどがあります。
診断には詳しい問診が基本です。そして来院時の12誘導心電図検査、24時間ホルター心電図など行い診断を確定させていきます。検査をしていくにつれて、心臓の病気(狭心症、心筋梗塞、弁膜症、先天性心疾患など)を診断することがあります。
現在、ほぼ全ての不整脈には治療法が確立できています。
不整脈の代表的な治療
- 薬物治療
- ペースメーカー治療
- 植え込み型除細動器/心室再同期療法
- カテーテルアブレーション
症状緩和のための薬剤治療だけでなく、ペースメーカー、植え込み型除細動器、根治治療の為のカテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)などがあります。当院ではSUBARU太田記念病院、群馬県立心臓血管センター、東京女子医科大学病院、都立広尾病院、保健医療公社大久保病院などと連携して患者様ごとに最も適した治療を進めていきます。
心不全について
心臓は体全体に酸素や栄養を送るためのポンプです。心不全とは、何らかの心臓の障害により、体が必要としている酸素や栄養を含んだ血流を心臓が送り出せず、ポンプ機能が低下した状態です。
心不全の患者は年々増加し現在160万人いると言われています。その原因として、高齢化社会になり動脈硬化に伴う心疾患(心筋梗塞、狭心症、大動脈弁狭窄症など)が増えた事などがあります。
具体的な症状としては息切れ、手足のむくみ、疲れやすさ、倦怠感など生活の質の低下が生じます。また、進行すると致死的な不整脈の出現も高頻度に認められ突然死の原因にもなります。
心不全は心臓にダメージを与える要因が加わる毎に病態が悪化します。増悪するにはきっかけがある事が多く、我々医師はそのきっかけが心不全の重症化につながる前に対処することで心不全の悪化を未然に防ぎます。
たとえば、日常の塩分制限や運動指導だけでなく、心臓以外の臓器の管理、風邪をひいたときの薬剤調整、ストレスやうつ状態の時のメンタル相談、他臓器の治療や手術時の循環器的サポートを行います。